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神宮前 瞬のつぶやきコラム

<レストラン編>

ザ・ウィンザーホテル洞爺 vs 六本木ヒルズ Part1 鮨対決

「わく善」vs「すきやばし次郎」 
(2003/11/25 UP!)

平成15年8月

ザ・ウィンザーホテル洞爺にはフレンチ、和食、鮨、鉄板焼き、蕎麦、ホテルダイニングからベトナム料理まで全部で12の飲食施設が入っております。その中でも特に有名なのがミシュラン三星レストランの「ミシェル・ブラス」がフランスの本店以外の場所に初めて出店したこのザ・ウィンザーホテル洞爺店。そして、「京都からの門外不出」と粋人から詠われた有名料亭、摘草料理の「美山荘」の2店です。でもって、第一回レストラン対決に名乗りを挙げた?鮨屋の「わく善」は、ここのホテルでは残念ながら2番手以降と言わざるを得ません。でもそれは、「味が」というワケではなく、「名前が」です。先ほどの2店舗は東京にまで名前を轟かせておりますが、「わく善」なんて申し訳ないですが、ぜーんぜん知りませんでした。ホテル側の情報によると、札幌の名店「すし善」のご主人嶋宮氏がプロデュースし、旬の素材・艶・鮮度・おもてなしの心まで追求し、札幌で数多くのファンを持った店主の渡辺氏が札幌の店をたたんでまで情熱を注いだ、とのことですが、ホントのところココに入ったのは東京に戻った翌日、ヒルズの「すきやばし次郎」へ行く予定だったから、じゃあ、北海道といえば魚介類が美味しいだろう、ならば比べてみようかなという単純な気持ちだったのです。

対しまして、六本木ヒルズの「すきやばし次郎」の登場です。ここは、ザ・ウィンザーホテル洞爺の12軒なんて比じゃない90軒の飲食設備を誇る天下の六本木ヒルズ。その中の代表格であるフレンチの「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」。そのロブション氏が小野二郎さんが出すのならと、ここ六本木ヒルズに出店を決め、内装は「すきやばし次郎本店」のカウンターを模して、フレンチでは珍しいカウンター式の内装を約3億円掛けて作り上げたという。「すきやばし次郎 六本木ヒルズ店」は、そのお手本とされた本店の内装・雰囲気をほぼ再現し、御子息の隆士氏が店主を務めていらっしゃる。その江戸前鮨「すきやばし次郎 六本木ヒルズ店」が「わく善」との対戦相手です。相手に不足はありません!

両店とも「おまかせ」のあと追加で数点いただきました。・・・・・カーン!

まずは、「わく善」。入店後すぐ、ご主人が「数多くあるレストランの中で、わざわざ当店をお選びいただき、誠にありがとうございます」とのっけからカウンターパンチ。

そして、「次郎」。予約時に「メニューは2万円のおまかせのみで、カードは使えません。現金のみです。5時半のご予約ですが、7時から予約で一杯のため、それまでになりますがよろしいですか?」

「わく善」。しゃりが小さめで、ほろっと口の中で崩れる。旨い。赤貝、中トロ、いくら、うに、数の子、穴子、一つ一つどこで揚がったものなのか、どういった仕事をしたものなのか、はっきりと説明しながら出してくれます。

「次郎」ご主人がほとんど聞き取れないような小声で、というより口の中だけで(いくら)、(あわび)と囁きながら、目を合わせずにネタを載せていきます。私が今食べているこの白身は何?

「わく善」。隣のお客に楽しげに話しかけていたかと思えば、私の持っていたパンフレットに目を留めて尋ねてきます。それも、ごく自然に。あとから入ってきたお客にも出すスピードが遅くないか、さりげなく気を使っています。

「次郎」。店内は水を打ったように「しーん」。隣の女性二人連れは、さっきから一言もしゃべっていません。張り詰めた緊張感のせいか、私のビールグラスをまだ若いお兄ちゃんが、テーブルの上で割ってしまいました。そのお兄ちゃん、余計に慌てたのか割れたグラスを素手で拾い、小さなカケラまで素手で取り始めました。見ている私まで怖くなります。そして、また「しーん」。春絵がしゃべる、医者の悪口だけが店内に響いています。「あのジジイ、『そりゃ困った、薬、強くしなくちゃ』しか言わないんだから、まったく」。

「わく善」。おまかせコースの中に含まれている、美味しい味噌汁とデザートが運ばれて来ました。本当に満足です。

「次郎」。恐る恐る、「椀物なんて、置いてないですよね」と尋ねると、「味噌とは本来、魚の臭みを取るもので、さばの味噌煮など味噌を使った料理は、概して魚本来の匂いから香りまで消してしまうものです。だがらウチでは口の中に残った魚の匂いを消し去ってしまう味噌を使ったものはありません」とはっきりと言われたのです。そのとき呟いた春絵の「ちゃんと大きな声、出るじゃない」が、どうかご主人の耳には届きませんように・・・。

会計は、「わく善」が27,777円。「次郎」が49,000円。味は、私にとって両店とも最高に美味しかったです。人それぞれ好き嫌いがあるので「わく善」の和やかな雰囲気と「次郎」の厳かな禅寺の気分、どちらがいいのか分かりません。でも、私は断然「わく善」派です。リターン指数で表すと5と0。「わく善」はお客におもねる店ではありません。ザ・ウィンザーホテル洞爺の一番のウリである、洞爺湖を見渡せる絶景を敢えて見せない設計で店は作られています。ここでは見せたいのは、職人たちの技と気合いだからでしょう。

因みに、「次郎」では7時どころか、35分ぐらいで食べ終わってしまいました。お酒を飲まないからですが、35分で約5万。六本木なのに禅寺。やっぱり0だよなー。春絵のヒールの音がいつもよりカツン、カツン響いていたのは、同じ意見だからなのか、薬が弱いからなのか?先生!どんどん強い薬、出してあげてください!

ザ・ウィンザーホテル洞爺
北海道虻田郡虻田町字清水
TEL 0120-290-500
(アクセス・JR洞爺駅から送迎バスあり)
http://www.windsor-hotels.co.jp/index.html

六本木ヒルズ
東京都港区六本木6丁目
すきやばし次郎 03-5413-6626
アクセス・営団地下鉄六本木駅)

http://www.roppongihills.com/jp/shops_restaurants/index.html

神宮前 瞬 (じんぐうまえ しゅん)
1971年生まれ。男。今のところ2匹のチワワと暮らす。
ネクタイを締めなくてよい仕事をしています。



ここは、ホテルやリゾートにあるライブラリーのように、気軽に読める文章をご紹介する別館です。旅に欠かせない「食」、旅先で見つけた「面白いもの」など、和める話題を提供していきます。ごゆっくりお寛ぎください。

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