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Today's hotel |今日のホテル Volume.119
Released at 30 Jul. 2006

THE LALU sun moon lake (1) プライベート編
モダンなスイートから眺める七変化の湖
台湾中央部の景勝地日月潭に2003年グランドオープンしたTHE LALUに泊まってみようと思ったのは、台湾に住む知人から「今、台湾ではLALUが一番」と聞いたのがきっかけでした。 もともと、アマヌサ(バリ島)、アマンサラ(カンボジア)などを手がけた著名な建築家ケリー・ヒルの設計であることにも興味がありました。
実際に泊まってみて、一番感動したのは、日月潭を見下ろす崖の中腹に作られた部屋から一望できる湖の眺めでした。晴れ上がったかと思うと霧がかかり、時には一寸先も見えなくなってしまう変化の妙。光とともに色を変えていく山や湖の美しさ。客室のベランダから眺める風景は、リアルな環境映像を見るがごときでした。
宿泊した1ベッドルーム・スイートは、台湾的要素をふんだんに取り入れたモダンなデザイン。オープンなバスタブやレインフォレスト・シャワーなど、南国のリゾートにふさわしい仕様が備わっている一方で、巨大な壺や睡蓮の花が台湾を演出しています。近代的設備が完備した約70平米の部屋が、一番狭いカテゴリーに属しているのですから、プライベート空間の充実には、問題が見あたりません。
サービスの洗練度やスタッフの語学能力、レストランの充実度などでは、アマン・リゾーツに及びませんが、何よりも感動的な眺めが魅力的なTHE LALU。台湾新幹線の開通により、現在台北から3時間半かかる足の便が改善されれば、より訪れやすくなるリゾートだと思います。
THE LALU
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基本情報
名称: THE LALU sun moon lake (涵碧樓大飯店)
所在地: 台湾南投県魚池郷水社村中興路142号
TEL: +886-49-285-5311
FAX: +886-49-285-5312
室数: 96室
主な施設: レストラン バー スパ プール ライブラリー ショップ
URL: http://www.thelalu.com.tw/
プロフィール: かつて中国国民党の蒋介石総統が避暑に訪れ、釣り糸を垂れていたという日月潭のほとり、まさに蒋介石総統の別荘の隣に建つリゾート。広々としたモダンデザインの客室からの眺めはもちろん、充実したスパ施設も魅力。
泊まった部屋: 1701号室 1ベッドルーム・スイート 2名利用 1名分 1泊朝食付き 12,650台湾ドル(税サ込み) (旅行代理店を通じて予約)
撮影時期: 2005年12月

詳細情報

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洗練されたデザインのエントランス
台北から3時間半の長いドライブの後、やっとたどりついた日月潭の湖畔で最初に目に入ったのは、派手な寺院や、いかにも中国の田舎町といった風情がただよう歓楽街だった。そこを抜け、入り江沿いに丘を登ると目に入ったのが、このエントランス。場所もムードも回りから隔絶されたモダンなエントランスに、長旅の疲れを忘れ、期待が高まる。
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幾何学的なホテルの外観
エントランスの裏側、湖に面した方から見たホテルの全景。手前に見えるのがゲストルームのあるA館で、奥がメンバーズクラブ用の施設を中心としたB館。A館の奥に、ヴィラ中心のC館がある。
崖の中腹に建てられているホテルは、雨戸代わりのルーバー(格子)が特徴的なモダンな建物。レセプションやロビーが、最上階の8階にあり、7階以下がゲストルームという構造になっている。
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リゾートらしい部屋の構造
今回宿泊したのは、A館で一番眺めの良い7階にある1ベッドルーム・スイートだった。部屋全体は正方形で、半分を縦長のリビングスペース、他方の半分を2分して、バスルームとベッドルームという構成。どの部屋も完全に仕切るのでなく、空間を最大限大きく見せている。シンメトリーを意識したケリー・ヒルらしい設計だと思った。ベッドルームとの境に置かれたバスタブからは、外の景色まで見通せる。
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シンプルなベッドルーム
ベッドルームは、天蓋や柱などリゾートにありがちな装飾を廃したシンプルなつくりで、リゾート気分は、広い空間がもたらす開放感から演出されている。
ベッドの正面は、一部クローゼットが仕切り代わりになっているだけで、リビングとつながり、回転させれば両側で見られるTVが置かれていた。奥に見えるのは、広いベランダの端にしつらえられたデイ・ベッド。
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昼と夜が対照的なリビング
木の質感が目立つ夕方のリビングルーム。夜は、照明が最小限に抑えられ、ひたすら空間に身をゆだねるように設計されている。照明で浮かび上がる壁際に並べられた装飾品や、窓の外に広がる夕闇迫る藍色の空がひときわ美しく見えた。
一方、日中は、湖に面した扉をすべて開けると、ベランダと一体となり、明るく、開放的な展望リビングに変身する。昼と夜の対照の妙を感じさせる優れた設計だと思う。
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CDを持参すればよかった・・
縦長のリビングの片隅には、ボーズ社のCDプレーヤーが置かれていた。CDの貸し出しを依頼したところ、ほとんどストックがないことがわかったのは、残念。好きな音楽を聞きたければ、持参するしかないようだ。手前の小さなダイニングテーブルの上には、睡蓮の花を浮かべた水盤が置かれている。
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くつろぎ方いろいろ
湖と対岸を一望できるベランダ。手すりの手前にルーバーの引き戸があり、閉めれば、完全にプライバシーが保たれる。ガラス扉を開けると、このベランダがリビングやベッドルームと一体になり、広い部屋がますます広くなる。
正面のデイ・ベッドの他に、写ってはいないが、手前にもテーブルとスツール2脚があり、くつろぐスタイルの選択肢がいろいろ備えられている。
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ダークグレーで統一された浴室
ダブルシンクの洗面スペースをはさんで、左にトイレ、右にシャワーブースというシンメトリーの配置。材質がよくわからない四角いシンクがなかなかユニーク。飲み水は、瓶入りの蒸留水が用意されている。バスアメニティはオリジナルのものらしく、石鹸はメイクをきれいに落としてくれ、香りもほのかで気に入った。
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ハスの実を連想させる熱帯雨林シャワー
ここだけ見ると南国リゾートらしからぬダークグレーのシャワーブース。上か降りそそぐシャワーが、12月でも摂氏15度を超える温かな国、台湾にはふさわしいように感じられる。 少しぬるめのお湯でシャワーを浴びてから、オープンなバスタブへと移動して、開放的なバスルームを満喫した。
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晴れたらいいね!
冬の台湾は雨季で、なかなかすっきりと晴れてくれない。でも、猫の目のように変わる天気が湖の色や山の形を刻々と変えていく様子を見ていると、オンシーズンの夏場に訪れるよりも、むしろ温かい冬の方が面白いんじゃないかという気がしてきた。
部屋のベランダから見る日月潭は、彼方に見える青龍山や二龍山の頂きを湖面に写して、まさに絶景。
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押し寄せる白い壁
午後、湖の対岸に霧が迫ってきた。みるみるうちに形を変える白い壁が、一瞬湖面を覆ったかと思うと、また退いていく。部屋の中から一望できる霧の海に、迫力すら感じた。2時間ほどしてふと気付くと、霧は湖のこちら側まで達し、湖面はまったく見えなくなっていた。この霧は夕方遅くに晴れ、翌朝はまた視界良好に戻っていた。同じ水辺でも、ビーチ・リゾートとは一味ちがうおもしろさを感じた。
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珍しい野菜料理も、あと一息
夕食は、まず中華レストランを訪れた。耳慣れない地元の中国野菜が目立つメニューは、選ぶだけでも楽しい。薄味で野菜の風味が生きているキヌガサタケとヘチマの炒め物や、肉自体が美味だった牛肉の辛子炒めは、明らかに水準以上の味だが、海鮮や点心類は、材料、味付けとも平凡。
インテリアも平凡で、真の一流リゾートになるために、もう少し頑張ってほしい部分だと思った。
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水準の高い西洋ダイニング
ウエスタンスタイルの料理を出すのに、なぜかイーストレストラン。名前はともかく、こちらのメインダイニングの方が水準は高い。朝食では明るい室内が、夜にはキャンドルの灯るシックな空間に変身。オーストラリア人シェフの料理は、グリル中心のシンプルなものだが、特に牛肉のリブステーキは美味しかった。写真の南国らしいデザートは見た目も楽しく、満足できた。
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From Editor | 編集後記
半年お休みさせていただいた間に、身辺の状況も目まぐるしく変わりましたが、何とか復刊することができました。サッカー好きの発行人は当然W杯に夢中でしたが、特にジダンの頭突きとナカタの天を仰ぐ姿が強く印象に残りました。今は、オシム新監督のもと、どんな日本代表が結成されるのか、楽しみですね。

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