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Today's hotel |今日のホテル Volume.97
Released at 07 June 2005

湯野浜温泉 亀や KAMEYA514-519
ホテル好きにもおすすめの次世代RYOKAN
白一色の壁、存在感のあるベッド。板張りの床。1枚ガラスの大きな窓の外一面に広がる日本海。海に向けて据えられた革張りの大きなソファー。必要な機能はできるだけクローゼットの中に納め、目に見える所に置かれる備品を最小限にした室内。「亀や」の514号室は、温泉旅館とは思えないような超モダンな空間でした。
山形県西部の日本海に面する湯野浜温泉の老舗旅館「亀や」に、2004年10月、「KAMEYA514-519」と称するモダンな洋室6室がオープンしたと聞いたのは、昨年末のこと。それ以来、近くの湯田川温泉で和モダンの宿「湯どの庵」を経営する「亀や」の新たな挑戦に、興味を惹かれていました。
個人客にとってどのくらい心地よい空間になっているのか、半信半疑のまま訪れたのですが、部屋のデザインや機能は明らかに期待を上回るものでした。特別室をつぶして新しく作ったというモダンな食事処で出される夕食のみならず、朝食も、さまざまな海藻を含む山海の幸がバランス良く供され、甘辛酸のバリエーションが豊かな和食で、満足度の高いものでした。
スムーズさを欠いたチェックインをはじめ、気になる点があったことも事実ですが、プラス要素の方をはるかに強く感じます。まだそれほど有名になっていない存在ですが、ホテル好きの方にぜひ体験してほしい「次世代温泉RYOKAN」だと思いました。
KAMEYA514-519
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基本情報
名称: 湯野浜温泉 亀や KAMEYA514-519
所在地: 山形県鶴岡市湯野浜1-5-50
TEL: 0235-75-2301
FAX: 0235-75-2305
室数: 69室
主な施設: 男女別大浴場 ラウンジ バー カラオケルーム
URL: http://www.kameya-net.com/
プロフィール: 創業130年の老舗旅館。昭和初期に建てられた龍宮殿は、かつて100畳の大宴会場があったり、特別室を設けたりしていたが、2005年春食事処として、すっかりモダンに。本館も98年に改築。2004年秋、514〜519号室を洋室にリニューアルし、個人客の客層拡大を狙う。
泊まった部屋: 514号室 平日宿泊 2名利用1泊2食1名分 21,150円(税サ込み)
撮影時期: 2005年05月
投稿者: ティンブリーミー

詳細情報

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大きな窓とベッドが目立つ室内
足を踏み入れた途端、部屋いっぱいの大きさのガラス越しに日本海が目に飛び込んでくる。家具類を最小限に抑えている上に、ベッドの向こうにある、海を眺めるためのソファーが入り口からは見えない構造になっているため、ベッドの存在感が大きい。
白い壁と無機的に感じるほどシンプルな造りが「何もせず、海を眺めて、のんびりしてね」とメッセージを送っているような第一印象を受けた。
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扉の向こうには・・
バスルームやクローゼットの扉が閉まった状態では冷たいぐらいの印象だった部屋が、最初はただの壁に見えた木の扉を開けた途端、温かな感じに変わった。扉の陰に、バスルーム、クローゼット、冷蔵庫、金庫がすべて収まり、なかなか機能的。部屋の広さから、小上がりとバス・トイレ付き10畳の和室を改造したのかな、と感じる。
冷蔵庫の中には、無料のミネラルウォーターとミニ缶ビールが置かれていた。
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夕陽を眺めるためのソファ
ベッドと背中合わせに、窓を向いて大きな革張りのソファーが置かれている。ソファーに座ると、視線の先には、海と、床の上のフラットTVだけという構造。ソファーの高さがやや低いため、海よりも空が見えやすいのはやや問題か。また、このソファーを柔らかすぎると感じる人もいるかもしれない。
ここから見る夕日が最大のもてなしなのだろう。用意されたTV番組表の横には、本日の日没時間が大きく記されていた。
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実は海だけ見えるわけではない
窓の外一面に日本海と言いたいが、実はやや右手にある別の旅館がけっこう視界の妨げになる。ちょっと残念だが、仕方がない。
客室階の一番下(5階)にある小さめの部屋を洋室に改造したのがKAMEYA514-519。もともと眺望が劣っていた部屋なのだろう。部屋の数字が大きくなるほど海に向かって右の方に位置するので、数字の小さい方がおすすめ。
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リゾート気分満点の浴室
扉に隠されたバスルームには、白木の浴槽に掛け流しの温泉が引かれている。窓から見て、一番奥にありながら光がよく入り、外が見える開放感がすばらしい。
シャンプー類の容器にまで、デザイン・コンセプトが徹底されていたり、洗面所との境には、湿った空気が部屋に届かないよう、エアカーテンが設置されているなど、新機軸の試みが見られた。内にありながら、リゾート気分が満喫できる、すぐれもののバスルームで、次世代RYOKANを象徴する存在。
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やはりベッドの方が寝心地がいい
直線の重なりを強調した形のベッドサイドテーブルは、使い勝手よりデザインを重視したもののよう。ルームライトや読書灯は、ここから光量を調節できるので、ムード重視派にも、読書重視派にも対応できるのが嬉しい。
ベッドは、ウレタンマットレス製でクッションが丁度良く、掛け布団も軽い。温泉旅館の布団ではなかなか味わえない寝心地で、チェックイン後のプライバシーが確保されることと併せ、洋室の良さを改めて感じた。
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大型温泉旅館の挑戦は続く
「亀や」のある湯野浜温泉は、山形県庄内空港から南に5kmほどの日本海沿いにあり、夏場は海水浴客で賑わう温泉地である。
ご覧の通り、「亀や」は、古い温泉地によくある伝統的な大型旅館であり、KAMEYA514-519の斬新なデザインとの違いが際だつ。個人客への対応を図らない限り発展が望めない大型旅館が、今後どのように変化していくのか。「亀や」の挑戦の意義は、決して小さいものではない。
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ハードに合わせてソフトも見直しては?
大型旅館そのものだが、手入れが行き届いた美しいロビー。一方で、チェックイン時に、ロビーの一角で担当者から長々と説明されたのは、マニュアル通りなのだろうが、感心しなかった。
しかも、最後に「何かご要望はございませんでしょうか」と言われ、「早く部屋に案内してほしい」と答えてから、案内までに相当な時間がかかったのはお粗末だった。部屋でのチェックインの導入を含め、是非システムを改善してほしい。
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外観は昭和初期の面影
玄関脇にある日本庭園の置くに建つ凝った建物は、「亀」にちなみ「龍宮殿」と名付けられた特別室棟である。ここもリノベーションされ、4階は特別室のまま、5階が「千尋房」「万尋房」というモダンな食事処に生まれ変わっている。
当初は宣伝不足だったが、徐々に利用が増えているという、KAMEYA514-519が成功すれば、この旅館は、まだまだ変身していきそうだ。
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清潔できれいな大浴場
部屋のお風呂があまりにも気持ちよいので、1回しか行かなかった大浴場。写真は、3階にある女性用の展望大浴場「天女の湯」で、女性用露天風呂・桧風呂の「羽衣の湯」も同じフロアーに設けられている。きれいで広く、いいお風呂だが、湯上がりのお休み処がないのが残念だった。
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秀逸な夕食
夕食はカウンターのダイニング「千尋房」でいただく。美しく盛りつけられた前菜の中では、梅干をひそませた「タケノコの木の芽寿司」が抜群。さっぱりとした味が多い中、山形県が誇る平田牧場の「三元豚」角煮は、琉球料理の「らふてぃ」を思わせる甘く濃厚な味付けで、日本海の春のご馳走である桜鱒の焼き物のさわやかさとの対比が良い。料理人の腕にも、メニューの組み合わせにも優れたものを感じた。
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食事処ならではのメニュー
期待以上の食事にすっかり満足。ちなみに、これは「専用の食事処を設けたから提供できるメニューで、通常の部屋でいただく食事は内容が異なる」との説明を受けた。
この夕食を味わうためには、KAMEYA514-519または本館新客室に宿泊して、「千尋房」または「万尋房」で食事をする「龍宮殿プラン」を申し込むことが必要。
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ゆっくり過ごせる朝
夕食が終わる頃、「朝食は7時半から10時までの間に万尋房にお出で下さい。」と言われた。前の晩に朝食の時間を決める必要がないホテル的なサービスで、チェックアウトも11時なので、朝の時間をゆったりと過ごすことができるのはうれしい。
メニューは定番ながら、折敷の上に笹の葉を皿にして、海の幸山の幸がきれいに盛られ、量もほどよく、美味しくいただいた。
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From Editor | 編集後記
勝ちました!夜中というより明け方近くに、試合終了のホイッスルが鳴るまでハラハラし通しで、その後もなかなか寝つかれませんでした。えっ、何の話ですかって? もちろん、サッカーのワールドカップ最終予選のことです。後は、明日バンコクで行われる北朝鮮戦に、引き分けなどと言わずしっかり勝って、気持ちよくドイツ大会出場第1号となるだけです。がんばれ!ニッポン。

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