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Today's hotel |今日のホテル Volume.79
Released at 18 Jan. 2005

友家ホテル
”がんばれ新潟”応援したい食の温泉宿
木造の旧館2階のちょっときしむような廊下を歩いていると、元は何に使っていたんだろうと思うような3畳ほどの小部屋があり、古びたレコードプレーヤーや古時計が置かれ、傷だらけの卓袱台に、懐メロのレコードジャケットやアサヒグラフの昭和特集が並んでいます。
古色蒼然とした大浴場や卓球台のある休憩所がある一方で、和モダンの典型のような貸切露天風呂やイサムノグチの照明器具があったりします。
正直言って、古びた施設は傷だらけ、最近手を入れた所との差が大きい。欠点が多いため、実は紹介するのをためらっていました。
ところが、食事の水準がびっくりするほど高い上に、チェックイン・アウトの時間や食事時間に融通が利く、スタッフの感じも良くて、料金も手頃な10,000円から15,000円(税別)というように、良い所もけっこうある旅館なのです。
新と旧、良い所と欠点の混交を見て、読者の皆さんはどう感じるでしょうか。私はトータルにみて、また行きたい宿だと思いました。地震の影響はなく、アクセスにも問題ありません。新潟を応援する意味も込めてご紹介します。
大呂菴
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基本情報
名称: 友家ホテル
所在地: 新潟県魚沼市大湯温泉
TEL: 025-795-2111
FAX: 025-795-2711
室数: 16室
主な施設: 大浴場2 貸切風呂2
URL: http://www5.ocn.ne.jp/~tomoya-h/
プロフィール: 1950年開業、83年現在の建物に改築、近年客室の数を減らし、個人客利用に対応している。新鮮な地場の食材や日本海の海の幸などを使った料理が秀逸。 上越新幹線浦佐駅からタクシーで30分、関越自動車道小出ICから15分。
泊まった部屋: 扇の間 睡蓮の間 1泊2食付き2名利用 1名分15,750円(税サ込み)
撮影時期: 2004年06月
投稿者: ティンブリーミー

詳細情報

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正直、がっかりしたエントランス
上越新幹線の浦佐駅から、信濃川の支流佐梨川沿いに米どころ魚沼の山懐に入って約30分、目指す越後大湯温泉に着いてみると、突然何ともさびれた温泉街に入ってビックリする。
しかも友家ホテルに向かって急坂を下ると、古びた鉄筋コンクリートの建物が現れて愕然。写真の入り口も平凡な上に古びていて、自動販売機だけが目立っている。正直なところ「失敗した」と思いつつ中に入る。
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涼しげな水の演出に、ほっと一息
失敗を感じた瞬間に目に入ったのが、写真の涼しげな光景。古びた甕(かめ)に張られた水に浮き草や、「びいどろ」と言いたいようなガラス玉が浮いて初夏の蒸し暑さと、一瞬血が上りかけた頭を冷やしてくれる。
そこに旅館のロゴが入ったTシャツを着た元気なお嬢さんが笑顔で出迎えてくれて、まずは一安心。てきぱきとしていて、かつ丁寧な対応に好感を持てた。友人のご夫婦を誘ってきただけに、ほっと一息といったところ。
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ロビーの一隅に・・
いかにも一時代前の旅館のロビーというにふさわしい、広い空間の一隅に若主人を筆頭に考えたであろう、くつろぎのコーナーを見つけた。ここにもガラス鉢に水草をあしらい、季節感を出している。なかなか面白いかもしれないと期待感が生まれた。
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広々した部屋にひと安心
2組4人での宿泊だったため、部屋も2部屋使った。写真の「睡蓮の間」は、2室を1室に改装し、15畳の本間に、佐梨川を見下ろす6畳ほどの板の間がついている。
古い建物の跡がそこかしこに見られたが、広々していて川面の眺めもよく、清流の音が聞こえる部屋にひと安心して、友人のご夫婦に使ってもらうことにした。
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モダンな洗面台にびっくり!
「睡蓮の間」の洗面台。ここだけが和モダンの宿になったような現代的なデザイン。手前に見えるテーブルやソファはまだメンテナンスされていないのと対照的だが、そのミスマッチ感覚がけっこう面白く感じた。横にあるトイレが洗浄機能付きなのは、もう国内では標準装備ということか。
宿のスタッフから「一度に改装するだけのお金はないので、少しずつ手直しをしながら、部屋数を減らして1部屋を広くするなど、個人のお客さまに喜んでいただけるよう変えて行こうと考えています。」と聞いて、新旧混交の理由が一部判ったような気がした。
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改装進行中を実感できる客室
私たちが使った「扇の間」は、15畳の本間に縁側が付いている。こちらも2室を1室にした部屋で、せっかく改装して、イサムノグチのランプが置かれている一方、テーブルの傷が目立ったりする。もう一息頑張って欲しいところだが、「新旧混交」と割り切ってしまえば、ご愛嬌で済む。
ちなみにこの旅館の部屋はすべて「奥の間付き」だが、1泊2食付10,000円の部屋は狭くなるので、割り切りが必要。
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古色蒼然とした大浴場「庭園風呂」
名前から庭園にある大露天風呂かと思うと、これが大違いで、石庭のような石組みが湯船を取り囲んでいる屋内の大浴場である。 ガラス戸越しに川の流れが見渡せて、気持ちよく入浴できた。泉質は無色透明の単純泉で、ややぬるめだった。
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和モダンの貸切露天風呂
2003年末に完成した貸切露天風呂のドアを開けて、ビックリ。柳宗理のバタフライ・スツールと、モダンな蜂の巣状の棚が置かれ、まったくの別世界。
脱衣場奥のすりガラスのドアを開けると、涼み処まで付いた白木の浴槽が、川の上に半ば突き出すように作られている。正面には目隠しのすだれがあるが、目の下はすぐに渓流。夜にはライトアップされた渓流だけが見え、水音が心なしか大きくなって、さらに気持ちが良い極上の造り。
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温泉卓球に挑戦してみては?
現代的な貸切露天風呂の外にあるお休み処は、以前は宿の玄関ロビーだったところ。眺めも良く、広々としていて気持ちが良い。
かなり広いスペースで、中央に卓球台が置かれた「温泉卓球場」にもなっていて、雰囲気は完全な昔の温泉宿。温泉卓球大会が開催されることもあるとかで、ご興味のある方はHPでご確認を。
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食事が出てきて、評価うなぎのぼり
ところがこの宿、食事になると全く違った顔をみせてくれる。HPでは「当旅館では食事を第一に考えております」と謳っているし、旨いという評判も聞いていたが、体に良く、本物だけを提供するという食事(部屋食)の水準はかなり高いと感じた。
手前右のカボチャのポタージュは、実に滑らかで味が良く、左の豆腐は中華風にごま油をかけ、刻んだショウガの香りが良くマッチしている。左上の山菜の煮物も美味だった。友人を前に心からほっとする。
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焼き筍の演出も楽し
筍(破竹)とタラバガニの焼き物は、右上の荏胡麻(えごま)味噌を付けていただく。特に筍は香り良く、実に旨い。
この他、ヒラメのお造り、洋皿の肉料理、のっぺ汁、ジュンサイの酢の物など、程良い量の料理が次々に出てきて、充実した夕食が楽しめた。 配膳してくれるスタッフのサービスも良く、地酒の酔いも手伝ってどんどん気分が良くなった。
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食事目当てのリピーターが多いはず
友家ホテルは、「食事時間、特に朝食は決して急がすことのないよう、お好きな時間に」がモットーで、午前10時までならいつでもOKという心配りを見せてくれる。
地元魚沼産コシヒカリのご飯と大振りな椀の味噌汁をメインに、鮭、これも地元産の行者ニンニク入りソーセージ、モロッコインゲンのお浸し、蕗の煮物、出し巻き卵などが並び、味にもバリエーションの豊かさにも満足。外観に似合わない居心地の良さに、友人も喜んでくれたようだった。
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From Editor | 編集後記
先日今シーズンの初滑りをしてきました。年末までまとまった雪が降らず、各地のスキー場のオープンが例年より遅れていたためです。 シーズン合計が1週間にもなればいい方なので、いつまでたっても中級の下くらいのレベルから脱することができません。 多少雪が降っていても気にせず滑るのですが、2日目は猛烈な大雪に挑戦する気力・体力もないため、滑らずに帰宅してしまいました。 でも、ほぼ1年ぶりに見た一面の雪景色は、ほんとうに心洗われるものでした。

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